直接不動産投資の注意点  Problems of Direct Real Estate Investment


<直接不動産投資の注意点  Problems of Direct Real Estate Investment >

日本から個人が直接米国内の不動産に投資をして家賃収入を受け取る場合の米国での税金は、源泉徴収方式またはネット・レント課税方式のいずれかの方式で課税されます。通常、ネット・レント課税方式を選択すると税金が低くなって有利となります。この選択をしない場合は、自動的に源泉徴収方式が適用されることを意味します。まずテナントに対してネット・レント課税方式を採用することを伝え、初年度の非居住外国人用の確定申告書に同方式を選択する旨を意思表示する文書とネット・レント純利益計算書を添付します。以後毎年、確定申告書にネット・レント純利益計算書を添付して提出します。ネット・レント純利益計算書とは、家賃収入から、固定資産税、支払利子、修繕費、管理費、維持費、保険料、周旋手数料、減価償却費などのあらゆる必要経費を控除した不動産賃貸所得のことです。

注意すべきことは確定申告書の提出を怠ってはならないということです。確定申告書を提出しないで、そのままオリジナルの申告書提出期限から1年4カ月が経過すると、すべての関連必要経費を控除する権利を失うという税法規定があるためです。その場合、家賃総収入に対して通常の税率を適用して計算した税金が徴収されます。関連必要経費を差し引いたネット・レントは純損失になるため、どうせ税金が発生しないという理由で申告しないのは、大変問題です。米国では、申告書を提出しないと時効が成立しないため、税務調査が開始されると何年でもさかのぼって追徴税、延滞利子、ペナルティーが課せられるからです。(305)

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