プロベート手続きと合有財産(Joint Tenancy)  


米国で財産を遺して人が亡くなると、遺産は一旦、プロベート(検認)裁判所の監督下に置かれます。遺言がある場合とない場合とでは手続きに違いがあり、遺言がないとプロベートに費やされる時間が遺言がある場合よりも数ヵ月ないし数年長くなります。プロベート手続きが長引けば、弁護士費用が大幅に増えることを覚悟しなければなりません。

資産の所有形態を合有所有(Joint Tenancy) にすることにより、プロベート手続きを経ることなく財産を相続人に引き渡すことが可能となり、時間と費用の節約になります。合有所有者の一人の死亡によって相続が発生した場合、生き残った方の合有所有者が自動的にその持分を継承できます。この方法は、プロベート手続きを避ける手段として、銀行口座、不動産、株などの様々な資産について広く用いられています。資産を合有所有するのは夫婦に限定されておらず、夫婦以外の2名以上の複数名で用いることも可能です。プロベート手続きを回避しても、必ずしも遺産税の回避にはつながりません。

合有所有財産の設定にあたって拠出した資金と、その対価として取得した持分が一致しない場合には、自己の持分に応じた以上の資金を拠出した者から、自己の持分に応じた資金を拠出していない者に対する贈与として、例えば親から子への贈与として、米国においても日本においても贈与税の課税の対象となることに注目してください。(675)

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