日本の相続税96-相続 遺贈の受理と放棄


<日本の相続(96)-遺贈の受理と放棄>

 自分の財産を遺言により無償で特定の人に与えることを遺贈と言います。相続人以外の人、例えば内縁関係者や、身の回りの世話や介護をしてくれた息子の嫁に、遺言による贈与である遺贈によって財産を渡すことができます。遺贈を受ける人を受遺者と呼びますが、受遺者は相続人以外の個人ばかりでなく、相続人でも会社や学校などの法人・団体でもかまいません。

法律上、一定の割合で遺産を与える包括遺贈と、特定の財産だけを与える特定遺贈がありますが、どのような内容の遺贈にするかは遺言者の自由です。ただし、相続人の遺留分を侵害するような遺贈はできません(民法964条)。遺留分を侵害した場合には、遺留分権者の相続人から遺留分減殺請求を受けて、財産の一部を返却しなければなりません。

遺贈の法律的な効力の開始時期は、遺言者の死亡時点です。遺贈は、原則として受遺者の承諾を必要としませんが、それを受けるか放棄するかは、受遺者の自由です。放棄できる期間は、包括遺贈と特定遺贈とで異なり、包括遺贈では受遺者が遺贈を知った時から3ヵ月以内であり、特定遺贈では催告の期間内(催告がなければ無期限)です。催告とは、相続人が受遺者に対して遺贈を承認するか放棄するか一定期間内に意思表示を求めることを言います。(201)

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