海外所得控除と外国税額控除


外国(例えば日本)に滞在している米国の永住権保持者・米国市民が、外国で働いて得た給与、報酬などの役務所得は、「海外役務所得控除」の名目で、連邦税法上定められた限度額(2016年10万1300ドル)までの金額を非課税扱いにすることができます。さらに、滞在中に費やした住居費の控除も認められます。

海外での所得が滞在地国で所得税の対象となった場合、海外役務所得控除に加えて、「外国税額控除」の適用についても考慮する必要があります。外国税額控除は、既に一度源泉地国で課税を受けた所得を、再度米国で申告することによって発生する二重課税を回避するための制度です。海外で得た所得の金額が、「海外役務所得控除」の限度額(10万1300ドル)以下である場合、「外国税額控除」は一切認められません。海外所得の金額が限度額を超えている場合、按分計算によって超過所得額に課せられたと想定される外国税が税額控除の対象となります。

例えば、日本での所得(2016年、ドル換算)が30万ドル、日本での所得税が3万ドルと仮定します。米国での申告書上、日本の所得30万ドルのうち、10万1300ドルを海外役務所得控除として取ります。外国税額控除の控除対象額は3万ドルではなく、所得控除適用分を削除した金額になります。(608)

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