日本の相続税102-相続 特別縁故者にかかる相続税


<日本の相続(102)-特別縁故者にかかる相続税>

親兄弟などの身寄りがない独身者が亡くなり、内縁の妻や療養看護に努めた看護士など、相続人以外の「特別縁故者」が財産の分与を受けた場合、相続税の課税関係がどうなるか検討します。

取得財産は「相続財産法人」からの遺贈取得という扱いとなり、分与された特別縁故者が相続税の申告をします。財産の取得時期は分与が確定した時であり、そこから10ヶ月が相続税の申告期限となります。取得者が配偶者や一親等の血族以外であるため、相続税は2割加算になります。基礎控除は、相続人がいないため各相続人1000万円ずつの加算はなされず、5000万円だけです。従って、財産の時価が5000万円を超えなければ相続税は課せられず、超えたときは超過額に相続税が課せられます。

家庭裁判所での相続人捜索の公告や相続権主張の催告、相続人不存在の確定など、「特別縁故者」が財産分与を受ける手続きに最低でも13ヶ月かかります。さらに「特別縁故者」が自ら申立てしなければ分与されないなど、手続きはいたって煩雑です。これを回避するための対策として、生前に遺言を作成しておくことが勧められます。遺贈登記による名義変更手続きのことを考慮して、「遺言執行者」を指定しておくことも必要です。(207)

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