学生ビザと税金
Fビザ、Jビザ、Mビザ、Qビザ保持者は、所得税法上の居住者・非居住者の判定基準である「実質的滞在条件」からの除外個人とされていて、米国滞在日数が183日を超えても居住者にはならず、非居住外国人として扱われます。OPT(卒業後の実務研修)の期間も非居住者扱いとなります。学生の米国滞在が5年経過後は原則、「実質的滞在条件」が適用されて居住者と判定されます。学生は「実質的滞在条件」からの除外個人である旨を身分情報申告書フォーム8843に記入して、毎年IRSに提出する義務があります。学生が受け取る、教育または生計維持のための親・会社・政府からの仕送り・手当・給付・交付金等の日本からの送金は、米国では非課税です(日米租税条約第19条)。
学生が働いて米国の雇用主から支払われた給与は、租税条約が適用されず、連邦・州の所得税の対象となります。非居住者用の個人所得税申告書フォーム1040NRで所得税を計算し、源泉徴収税による納付税金との清算を行います。不法就労の場合であっても、受け取る報酬は所得税の対象となるため、申告義務があります。上記ビザ保持者に支払われる給与は、社会保障税(ソーシャルセキュリティー税とメディケア税)が免除されます。ただし、社会保障税が免税となるのは、学生の専攻分野と仕事の内容に原則つながりがある場合に限ります。免税であるにもかかわらず間違って源泉徴収された社会保障税は、通常雇用主を通じて還付されます。(611)