配偶者間の贈与


米国では配偶者間の贈与および相続は、贈与税も遺産税も一切課せられることなく非課税で財産移転ができます。税法上、Marital deduction (婚姻控除、配偶者控除と訳される場合もあります。)と呼ばれていて、法的婚姻関係にある夫婦間の財産移転を、生前、死亡時を問わず無制限に税金を課せられることなく行うことができるという規定です。この規定は、財産の贈与および相続を受ける配偶者の国籍が米国である場合にのみ適用され、贈与を与える側、遺産を遺す側の配偶者の国籍が、米国籍保持者であっても永住権保持者であってもかまわないことになっています。

永住権保持者も含めて米国籍以外の外国籍配偶者への贈与については特別の年間非課税額が規定されていて、その金額は2016年14万8000ドル、2017年14万9000ドルです。配偶者以外の人への贈与は、一人につき2016年と2017年1万4000ドルまでが非課税です。年間非課税額はインフレ調整が施されて毎年調整されます。贈与者が米国籍保持者および一部の居住外国人の場合は、上記の年間非課税額を超える贈与を行ったとしても、さらに549万ドルの生涯非課税贈与額の枠を適用することにより、贈与税を支払わずに済ませることができます。非課税贈与額を超える贈与を行った場合は、40%の税率で贈与税が課せられます。(645)

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