年金基金の免税口座移し替え(ロールオーバー)


ペンション・プランや401(k)プランなどの適格企業年金制度の加入者が会社を退職する際、年金基金から一括分配を受けると所得税が課せられます。本人が59.5歳に達していない場合は、さらに10%の早期分配税も課せられます。個人退職基金(IRA)を取り崩して一括分配を受ける場合も同様に税金が課せられます。企業年金制度やIRA口座の資金を他の企業年金制度・IRA口座へロールオーバー(口座移し替え)をすると、その時点での課税は発生せず、再び課税繰延べされ、年金基金の積立を継続することができます。

ロールオーバーには、企業年金制度やIRA口座から他の金融機関の口座に移管する直接移し替えと、一度分配を受けた後60日以内に他の金融機関の口座に入金する間接移し替えの2種類があります。直接移し替えは、資金が本人を介さずに金融機関へ直接振り込まれるため、課税対象にはなりません。直接写し移えの申し込みの際、移管先の金融機関の口座情報を通知するだけで移し替えが完了し、税金の心配をする必要がないため便利な方法です。

間接移し替えは、まず本人に小切手が発行されて年金基金から暫定的に分配を受けた形となりますが、分配後60日以内に他の金融機関に新設した移管先口座へ入金することによって非課税扱いとなります。60日を過ぎると、年金基金からの分配と見なされて所得税が、そして59.5歳を超えていない場合は10%の早期分配税も課せられます。(756)

 

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