収益の認識基準:現金主義と発生主義 Cash or Accrual


<収益の認識基準:現金主義と発生主義 Cash or Accrual>

課税所得を決定するにあたって、一定の収益の認識基準に従って計算を行なう必要があります。収益の認識基準には、現金主義(Cash basis)と発生主義(Accrual basis)の二通りの会計処理方法があります。現金主義は、個人納税者用の会計処理方法で、現金または現金等価物を実際に受け取った年度に収益を認識し、実際に現金を支払った年度に費用を認識します。発生主義は、個人事業や法人の課税所得の認識に用いられる会計処理方法で、金銭を受け取る権利が確定した時点で収益を認識し、支払うべき債務とその金額が決定した時点で費用を認識します。
自営業や法人の場合でも、過去3年間の平均総収入が500万ドル以下であれば現金主義を採用できます。平均総収入が500万ドルを超える場合は発生主義の採用が義務付けられます。販売活動に従事して棚卸資産の計上義務のある納税者は、仕入や売上などを発生主義で計上する義務があります。給与や利子、配当、項目別控除などの個人的活動には現金主義を採用し、事業活動には発生主義を採用することが認められます。また、複数の事業活動に従事している場合に、事業活動によって異なる会計処理方法を採用することも認められます。
役務提供年度と報酬受領年度が異なる場合、現金主義では、収益を認識する年度は実際に現金が支払われた年度(後の年度)となります。発生主義では、逆に役務が提供された年度(前の年度)となります。(437)

Copyright © 2014 Joe Oshima, CPA All Rights Reserved