不動産源泉税の免除証明書 Withholding Certificate


<不動産源泉税の免除証明書 Withholding Certificate>

外国人の不動産譲渡に課せられる10%源泉税を回避するための免除証明書について検討します。市場低迷による不動産の値下がりのため譲渡損失になる場合や、主たる住居の所有者一人につき25万ドルの売却益の非課税措置を適用する場合、あるいは、同種交換による課税繰延べ措置を利用する場合は、IRS (内国歳入庁)への申請によって10%源泉税の免除証明書の取得が可能です。申請書フォーム8288-Bに必要事項を記入して譲渡クロージング日以前にIRSへ提出すると、通常であれば徴収後20日以内にIRSに納付される10%源泉税が、免除の申請をすることにより、IRSではなく買い手の弁護士のエスクローに預託管理されます。約90日後(予定)にIRS審査が終了し免除証明書が発行されると、源泉税の全額、または、最終税額との差額が売り手に払い戻され、残りはIRSへ納付されます。売り手は年明けの申告書提出期限までに不動産の譲渡損益を確定申告書上報告して税金の清算を行います。

免除証明書を利用する場合、過払税金が納税者に返金されるまでに、およそ4カ月待たなければなりません。しかもIRSの審査が滞りなく行われる保証はなく、往々にして免除証明書の発行が遅れることがあって、必ず得策になるとは限りません。そのため不動産の売買契約が年度の後半に行われる場合は、免除証明書を申請せずに確定申告書で税金清算をして還付金を受け取ることが勧められます。

米国で支払った税金について日本で外国税額控除を受けられるのは、10%源泉税ではなく、清算後の最終税額です。(391)

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