外国税額控除の州税上の取り扱い


所得税は、連邦政府(IRS)だけでなく、州政府や市政府によっても課税されます。グリーンカードや就労可能なビザ保持者は、米国籍保持者と同等の扱いである居住外国人の身分で所得税申告を行い、年間の全世界所得を報告する義務があります。申告所得の中に既に一度海外で課税された所得が含まれていると、「外国税額控除」の仕組みによって国際間の二重課税の回避が達成されます。連邦所得税の計算のための規定である外国税額控除は、ただ一州ノースカロライナ州を除き、州・市所得税の計算上は認められないことが問題です。

各州の規定の中に「他州税額控除」があります。勤務している州が居住している州と異なるため二州と関わりを有する納税者は、通常、勤務州には非居住者の身分で州の給与所得だけを申告し、居住州には居住者の身分で連邦税で報告した金額と同じ年間全所得を申告します。その際、勤務州で支払った税金は、「他州税額控除」の形で居住州の税金から差し引かれて二重課税が回避されます。この州税計算上の他州税額控除は、連邦税の外国税額控除の仕組みに類似してはいるものの、ノースカロライナ州を除き外国税が州税上の控除容認額に含まれていないため、国際間の二重課税の問題解決にはなりません。米国内の州の間の二重課税は解決しますが、国境を越えて支払った外国税に対する救済には役立たないことにご注意ください。(506)

 

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