年金にかかる税金

税法上、米国居住者が日本から受け取る退職年金その他これに類する国民年金、厚生年金、保険年金などの給付金に対しては、本人の居住国である米国においてのみ課税を受けることになっています〈日米租税条約第17条〉。同様に、日本居住者が米国から受け取るソーシャル・セキュリティー手当、ペンション・プラン、その他の給付金は、本人の居住国日本においてのみ課税されます。退職年金とは、過去の勤務に関連し、提供した役務に対する対価として、または受けた障害に対する補償として退職後または死後に行われる定期的給付をいいます。具体的には日米双方の国でそれぞれの国内法に基づいて支給される公的年金を意味しています。また保険年金とは、過去の役務提供の対価ではないが、適正かつ十分な対価に応ずる給付を行う義務に従い、終身または特定の期間中に定期的に支払われる所定の金額のことをいいます。

年金給付を海外に送る際、日本では20%、米国では30%の源泉徴収税を差し引かれる場合があります。源泉徴収を回避するためには、然るべき申請をしておく必要があります。間違えて源泉徴収された税金は、還付請求することにより還付されます。(695)

芸能人・運動家の税務 Entertainer and Sportsman

<芸能人・運動家の税務 Entertainer and Sportsman>

日米間の国境を越えて活動する芸能人および運動家(芸能人等)の税務については、日米租税条約第16条が規定しています。国境を越えて公演や競技などの個人的活動を行う日本からの芸能人等は、原則、活動が行われた源泉地国(米国)で課税されます。ただし、年間の滞在日数に関わらず、芸能人等としての活動から得られる所得が1万ドル(日本では日本円相当額)以下の場合は、源泉地国での課税は免除され、1万ドル超の場合にだけ課税されます。すなわち、米国における公演等による総収入額が1万ドルを超えない日本からの芸能人等については、米国での課税は免除となります。1万ドルを超えると、所得の総額に対して米国で課税されます。米国で課税されてもされなくても、日本の居住者として日本で課税対象になることは言うまでもありません。

特定された芸能人等による個人的活動からの所得が、本人に支払われず芸能法人等に支払われる場合は、その芸能法人等の所得について、源泉地国で課税されます。日本の法人等の事業活動から生じる所得は、原則、米国内に恒久的施設がある場合に限り米国での課税が生じますが、この場合の芸能法人等の所得は、恒久的施設原則(条約第7条)の例外です。オーケストラやバレー団等のように、芸能法人が締結する契約において活動を行う個人芸能人が特定されておらず、芸能法人との関係が雇用主対従業員の関係である場合は、米国内に恒久的施設がなければ、租税条約第7条の恒久的施設原則により、芸能法人等の所得は免税となります。(273)

租税条約

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