日本の相続㉚ 無効な遺言  


形式や内容が法律的に不備な遺言は、次の通り無効とされます。

  •  遺言能力を欠く者の遺言

満15歳に達しない者の遺言は、当然に無効です。

  •  形式面で不備のある遺言

民法に規定された遺言方式に準じて作られていない場合、無効になります。口頭によるものやテープに収録してあるものは一切法的効力がありません。苦労して書いた遺言も日付や印がないものや、訂正や加除の方法が間違っているものは無効です。

  •  内容が実行不可能や特定不可能な遺言

例えば、現実には存在しないものを遺贈する旨の遺言など。遺言の目的物が具体的に記載さていないものや内容が単一で明確でないもの、誤解を生じる余地のあるものは無効になります。

  •  詐欺や脅迫によって作成された遺言

だまされて、もしくは脅かされて作成された疑いのある遺言は無効です。

  •  変造・捏造された遺言

自筆証書遺言に起こる問題です。公正証書遺言ならば変造・捏造の心配はありません。

  •  公序良俗に反する遺言、錯誤に基づく遺言

犯罪行為や違反行為につながる場合、その記述が無効になります。内容の重要部分に重大な勘違いがあった場合、その部分が無効になります。(796)

 

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