居住用賃貸不動産の減価償却


不動産賃貸所得を算出する際、収入から差し引かれる必要経費のひとつに減価償却費があります。減価償却費は、他の必要経費と異なり現金の支出を伴わないため実際には収益の削減を生じさせません。税金計算上控除として認められて減税効果をもたらし、その結果、キャッシュフローを生み出します。

家やコンドミニアムの購入価格から土地部分を除いた建物部分に相当する金額を、資産が使用できる耐用年数の期間にわたって、毎年小額ずつ費用化していく方法のことを減価償却と呼びます。その計算の結果年間の費用とされるのが減価償却費です。すなわち、不動産を事業の用に供した最初の年度に不動産の取得費を必要経費として一括費用計上するのではなく、年の経過によって不動産の価値が経済的、物理的に減少する期間にわたって配分計算して必要経費化していきます。

米国税法上、居住用賃貸不動産の減価償却の「耐用年数」は、鉄筋、木造、新築、中古の区別なく一律27.5年と定められています。日本の規定では、木造、木造モルタル、鉄筋鉄骨など建築の種類によって20~47年の異なる年数を使用します。米国では中古物件であっても、一様に新築不動産と同じ27.5年を適用しますが、日本では残存耐用年数を参考に減価償却します。米国外にある不動産の場合、40年で減価償却します。「償却方法」は、米国資産、海外資産とも定額法を適用して計算することと定められています。賃貸住宅用家具は5年で、定率法を適用して償却します。(602)

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