駐在員事務所の税務


駐在員事務所は、米国に進出する日本企業の最も初期の段階の形態です。駐在員事務所は、連邦法人税の対象にはなりません。その法的根拠は日米租税条約第5条にあります。すなわち、第5条の「恒久的施設」Permanent Establishment (略称 ‘PE’) の解釈を出発点とします。日本企業が米国において課税されるのは、米国内にPEを有する場合に限るとしています。PEとは、支店、事務所、工場、作業所など、事業を行う一定の場所を指しますが、情報収集活動や準備的、補助的性格の活動は例外とされ、米国における事業活動とは見なされないと規定しています。また、仲立人、問屋、その他の独立の地位を有する代理人(独立代理人)を通じて業務を行うこともPEにはなりませんが、ただし独立代理人以外の、企業に代わって行動する者が米国内で企業の名において契約の締結を反復行使する権限を有する場合はPE とみなすとしています。以上の定義から、企業の活動が準備的または補助的活動に該当すれば、その事務所はPEとはならず、連邦法人税の対象にはなりません。

日米租税条約は、アメリカ合衆国と日本国との間で締結された国家間の取り決めであり、その適用は州法には及ばないため、駐在員事務所は州および市の法人税の対象になることにご注意ください。(493)

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