日本の相続㊷ 相続財産の評価


 

相続税額を計算するには、まず対象となる相続財産にいくらの価値があるかを把握する必要があります。相続財産がすべて金銭なら、財産の価格がいくらか明白ですが、実情は土地や家屋など価格の見積もりが難しい財産もあります。

相続税法は、ごく一部の財産は特別な評価方法により、そのほかの財産は「時価により」決定すると定め、個々の財産の時価を公平に算定する具体的な評価基準である「財産評価基本通達」を設けています。遺産分割では相続開始時点の「相場」を基準に時価評価しますが、相続税の申告に用いる評価額はでは国税庁の基本通達に従って時価評価します。したがって、遺産分割と相続税計算の財産評価は、異なる金額になることもあります。

国外財産を相続した場合、課税時期現在の売買実例価格等を参考にして評価します。外国の土地の評価は、その国における相続税の計算の基礎となった土地の価格で、鑑定評価に基づいて合理的に算定されたものでなければなりません。相続税の申告で最も重要である相続財産の評価は、非常に厄介であり、かなりの専門知識が要求とされます。(788)

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