不動産賃貸ロス

レント収入よりも必要経費の方が多いために発生するレンタル・ロスは、賃貸活動への積極的関与の条件を満たせば、給与、利子、配当、自営業事業所得などの他の所得との損益通算が認められます。ただし、米国税法上、損益通算には上限額が設けられていて、年間最高2万5000ドルまでとなっています。レンタル・ロスが2万5000ドル以上計算されても、損益通算に使えるのは2万5000ドルまでということです。超過額は翌年以降に繰り延べられます。

給与、利子、配当などの合計額(調整総所得)が10万ドル以下の納税者は、2万5000ドルのレンタル・ロス全額を他の所得と損益通算することができます。調整総所得が10万ドルを超えると、損益通算できる金額は段階的に減額します。減額率は、所得増加が2ドルにつき1ドル削減という割合です。調整総所得が15万ドルに達すると、レンタル・ロスとの損益通算額はゼロになります。すなわち、年収15万ドル超の高額所得者はいくらレンタル・ロスがあっても、他の所得との損益通算は一切認められず、翌年に繰り延べされます。(744)

賃貸不動産の減価償却

減価償却とは、長期間にわたって使用する資産について、法律で定められた耐用年数(その資産が使えると思われる期間)で分割して、一年ごとに必要経費にしていく方法のことです。減価償却は時の経過あるいは使用によって価値が減少する固定資産、例えば賃貸不動産に適用されます。減価償却費は、不動産賃貸の賃貸所得を計算する際の必要経費の中でも比較的金額が高い場合が多く、税金の対象となる純利益を少なく計算するための重要な要素となります。

減価償却が適用されるのは建物部分だけであり、土地部分は減価償却できないという決まりのため、住宅の取得費を建物と土地とに分離する必要があります。まず、住宅の取得費のうち、土地該当部分を除いて建物部分のコストを把握します。住宅の取得費は、住宅の取得価格に取得時の取得費用とその後の改築費を加えた金額です。米国の減価償却は、「耐用年数」を27.5年で、「償却方法」を定額法で計算します。すなわち、毎年、27.5分の1ずつが減価償却費として控除が認められます。この計算は、鉄筋、木造、新築、中古の区別なく、一様に適用されます。外国(日本)にある住宅の賃貸所得を、米国の税務申告書上報告する場合の建物部分の減価償却は、耐用年数は40年で、償却方法は定額法で計算します。(743)

 

日本からの不動産直接投資

日本に住んでいる日本人が、米国内に所有する不動産を人に貸して賃貸収入を得ている場合の課税関係を検討します。米国に住んでいた日本人が日本に帰国後も米国の持ち家を処分せずに人に貸しているケース、または、日本からの直接投資により取得した不動産の賃貸を行っているケースで、米国の税法上の「非居住外国人」が米国不動産に直接投資する形態です。購入した不動産を賃貸せず、バケーションや商用で米国に来た折に使うだけの場合や、米国留学中の子が住んでいるだけという場合は、不動産の固定資産税を納付するだけで、その他の税金は発生しません。

投資家が米国の不動産を運用(賃貸)している場合、米国においても日本においても所得税上、課税対象となり、両方の国で確定申告をする必要があります。その場合、連邦所得税については、非居住外国人に適用される源泉徴収方式またはネット・レント課税方式のうちのいずれかの方式による課税を受けます。連邦税の他に、不動産が所在する州政府に対しても申告納付をする義務があります。州税については必ずネット・レント課税方式が適用されて課税されます。同時に、米国不動産からの賃貸所得を日本の確定申告によって申告・納税を行う義務があります。(745)

不動産賃貸

アパートやマンションの部屋、家屋、土地、駐車場などの不動産を所有していて、人に貸すことによって得た利益は、不動産所得として申告書上報告する義務があります。家賃収入、地代などから固定資産税、支払利子、修繕費、管理費、維持費、火災保険料、減価償却費、広告費、簿記手数料などの必要経費を差し引いて算出したネット・レント純利益が課税対象の金額となります。米国居住者は、米国国内にある住宅からの賃貸収入と同様に、米国国外にある住宅からの賃貸収入も同じ方法で不動産所得を算出し、その金額を給与、利子、配当所得などの他のすべての所得と合算した合計額を課税対象の金額とします。

不動産所得は、連邦申告書フォーム1040のスケジュールEに詳細を記入して計算します。 減価償却は、住宅の取得価格から土地該当部分を除いた建物部分のコストを把握し、耐用年数は鉄筋、木造、新築、中古の区別なく、米国国内不動産には27.5年を、米国国外不動産には40年を一様に適用して計算します。償却方法は国内、国外とも定額法です。必要経費合計額が家賃などの収入を上回り、不動産所得が赤字になった場合、給与所得や事業所得との損益通算の取り扱いが認められる場合とそうでない場合とがあります。すなわち、米国税法上、年収が10万ドル超の場合、損益通算に制限が加えられているためです。(742)

不動産賃貸

住宅を人に貸して家賃収入を受け取っている場合、賃貸収入から固定資産税、支払利子、修繕費、管理費、維持費、保険料、減価償却費などの必要経費を差し引いて算出したネット・レント純利益(不動産所得)が課税対象となります。米国居住者は、米国国内にある住宅からの賃貸収入と同様に、米国国外にある住宅からの賃貸収入も同じ方法で算出し、その金額を給与、利子、配当所得などの他のすべての所得と合算して確定申告する必要があります。

不動産所得は、申告書フォーム1040あるいは 1040NR のスケジュールEに詳細を記入して計算します。 減価償却は、住宅の取得価格から土地該当部分を除いた建物部分のコストを把握し、耐用年数は27.5年(海外不動産は40年)を、償却方法は定額法を適用して計算します。耐用年数は、鉄筋、木造、新築、中古の区別なく、一様に適用されます。

不動産所得が純損失になる場合、他の所得との損益通算による相殺控除が認められるためには、納税者が積極的に賃貸活動に関与している必要があります。年収が10万ドル未満であれば損益通算ができますが、15万ドル超であれば損益通算は一切認められません。年収が10万ドルと15万ドルとの間で損益通算認容額は段階的削減の対象となります。損益通算が認められなかった純損失は、次の年度へ繰り延べることが認められます。(684)

日本にある持ち家の賃貸

 

米国在住の日本人が日本にある持ち家やアパート、マンション、土地、駐車場等を人に貸して家賃収入がある場合、日米両国で確定申告を行う義務があります。日本では賃借人が法人の場合、日本国外に住む非居住者へ支払われる不動産賃貸料は、20%の源泉徴収税が課せられます。賃借人が個人の場合は、源泉徴収税を差し引かれずに賃貸料を全額受け取ります。源泉徴収税は最終的な税金ではなく、日本で確定申告をして精算しなければなりません。不動産所得は1月1日から12月31日までに得た家賃や地代の総収入金額から必要経費を引いて求めます。「所得税収支内訳書(不動産所得用)」に明細を記入して、申告書Bに添付して提出します。

米国では税法上の身分が居住外国人とされる人は、米国市民の場合と同様、全世界所得を申告して税金を支払う義務があります。日本に残してきた不動産を人に貸して受け取る家賃収入は、米国でも課税対象になります。米国にある住宅からの不動産所得の計算と同様な方法で家賃純利益を算出し、その金額を給与、利子、配当などすべての所得と合算した合計額が、連邦および州の所得税の対象となります。日本で課せられた税金がある場合、連邦所得税の計算上、二重課税防止策である外国額額控除が認められます。(606)

不動産賃貸からの純損失

不動産の賃貸収入から関連必要経費を差し引いた後の金額が純利益の場合は、他のすべての所得と合算されて通常の所得税の対象となります。必要経費差引後の金額が純利益ではなく、純損失(赤字)になった場合はどうなるのでしょうか。純損失を給与、利子、配当、自営業事業所得などの他の所得と損益通算(相殺)できれば、税金が少なく計算されて節税になる筈です。ところが、純損失になったら誰でも節税できるわけではなく、調整総所得(ほぼ年収に相当)が15万ドル以上の高額所得者は、米国税法上「消極的損失の制限」という規定が適用されて、純損失と他の所得との相殺の恩恵を全く受けられません。年収が10万ドル以上15万ドル未満の場合、純損失は段階的減額の対象となり、年収が10万ドル未満は、全額(ただし上限2万5000ドルまで)の損益通算が認められます。

不動産賃貸からの純損失と他の所得との損益通算が認められるためには、高額所得を得ていないことという条件の他に、納税者が積極的に賃貸活動に関与していることという条件を満たす必要があります。管理会社が間に入っている場合でも、テナントの募集、テナントとの交渉、修理の手配などに関して常に決定権を行使していれば、賃貸活動に関与していることとなります。何もかも管理会社まかせという場合は、積極的に賃貸活動に関与したことにはならず、相殺は認められません。損益通算が認められなかった純損失は、次年度以降へ無期限に繰り延べられて、他の所得との相殺に役立ちます。(605)

 

 

居住用賃貸不動産の減価償却

不動産賃貸所得を算出する際、収入から差し引かれる必要経費のひとつに減価償却費があります。減価償却費は、他の必要経費と異なり現金の支出を伴わないため実際には収益の削減を生じさせません。税金計算上控除として認められて減税効果をもたらし、その結果、キャッシュフローを生み出します。

家やコンドミニアムの購入価格から土地部分を除いた建物部分に相当する金額を、資産が使用できる耐用年数の期間にわたって、毎年小額ずつ費用化していく方法のことを減価償却と呼びます。その計算の結果年間の費用とされるのが減価償却費です。すなわち、不動産を事業の用に供した最初の年度に不動産の取得費を必要経費として一括費用計上するのではなく、年の経過によって不動産の価値が経済的、物理的に減少する期間にわたって配分計算して必要経費化していきます。

米国税法上、居住用賃貸不動産の減価償却の「耐用年数」は、鉄筋、木造、新築、中古の区別なく一律27.5年と定められています。日本の規定では、木造、木造モルタル、鉄筋鉄骨など建築の種類によって20~47年の異なる年数を使用します。米国では中古物件であっても、一様に新築不動産と同じ27.5年を適用しますが、日本では残存耐用年数を参考に減価償却します。米国外にある不動産の場合、40年で減価償却します。「償却方法」は、米国資産、海外資産とも定額法を適用して計算することと定められています。賃貸住宅用家具は5年で、定率法を適用して償却します。(602)

不動産賃貸所得

住宅を人に貸してレント収入を受け取っている場合、レント総収入がそのまま課税対象の所得となるのではなく、レント総収入から必要経費を差し引いて算出したネット・レント純利益が課税対象所得となります。ネット・レントは、給与、利子、配当、自営業事業所得など、他のすべての所得と合算されて、通常の所得税率の適用により税金が算出されます。所得税申告書の添付スケジュールEに賃貸活動からの総収入と必要諸経費の明細を列記して、申告書フォーム1040または1040NRに添付提出します。

レントの総収入から差し引いてネット・レント純利益を計算するための必要経費とは、文字通り賃貸活動に必要なあらゆる経費を指します。1月1日から12月31日までの期間、または総収入に対応する期間に支出した経費の金額です。代表的なものとして、固定資産税、住宅ローン支払利子、修繕費、維持費、保険料、建物の減価償却費があります。コンドミニアムのコモン・チャージ、コープのメインテナンス、管理費、コミッション、家具の減価償却費、庭師費用があります。また家主がテナントのために支出した水道光熱費、除雪費用、ドアマン等へのチップなども含まれます。必要経費の資料は申告書に添付提出の必要はなく、後日IRSからの問い合わせのために保管しておきます。(600)

 

賃貸不動産の減価償却、日米の違い

米国居住者が日本にある家を人に貸している場合、および、日本居住者が米国にある家を人に貸している場合、米国と日本の双方において確定申告をして不動産所得の報告をする必要があります。不動産賃貸所得を算出する際、収入から差し引くことが認められる必要経費として、固定資産税や支払利子、管理費、減価償却費などがあります。減価償却とは、不動産の購入価格から土地部分を除いた建物部分に相当する金額を、不動産が使用できる期間(耐用年数)にわたって配分計算し、毎年小額ずつ費用化していく方法のことです。

減価償却費以外の必要経費は、日米とも同一の費用項目および金額を家賃収入から差し引きます。減価償却費は、それぞれの国の税法規定が適用されるため、同一物件であるのにもかかわらず日米で異なる金額が算出され、その結果ネット・レント純利益の金額も同一にはなりません。米国では、居住用賃貸不動産の減価償却の「耐用年数」は、建築構造や新築、中古の区別なく一律27.5年と定められています。日本では、木造、鉄筋鉄骨など建築構造や新築、中古の別によって22~50年の異なる年数を使用します。米国では中古物件であっても、一様に新築不動産と同じ27.5年を適用しますが、日本では残存耐用年数を参考に減価償却が計算されます。(545)

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