不動産賃貸(1)レント収入

 

住宅を人に貸してレント収入を受け取っている場合、レント収入がそのまま税金の対象になるのではなく、レント収入からあらゆる必要経費を差し引いて、ネット・レント賃貸純利益の金額が課税対象となります。

ネット・レントは、給与、利子、配当、自由業事業所得など、他のすべての所得と合算されて、10%から37%までの通常の7段階の連邦所得税率が適用となります。

居住者は、アメリカにある住宅からのレント収入も、日本などアメリカ国外にある住宅からのレント収入も、同様な方法でネット・レント純利益を算出し、その金額を他のすべての所得と合算した合計額が通常の連邦と州の個人所得税の対象となります。外国で税金が課されている場合は、外国税額控除のしくみを適用することによって、連邦税から外国税を差し引くことが認められ、二重課税の回避が達成されます。レント収入よりも必要経費が多いためネット・レントが純損失になる場合は、特別規定が適用されるため、注意を要します。非居住者のレント収入の課税方法も異なります。 (766)

不動産賃貸 (3)    減価償却

減価償却は、ネット・レントを計算する際の必要経費の中でも比較的金額が高い場合が多く、課税対象となる純利益を少なく計算するための重要な要素となります。減価償却は、時の経過あるいは使用によってその価値が減少する固定資産に適用され、固定資産がこれに該当します。

まず、住宅の取得費のうち、土地該当部分を除いて建物部分のコストを把握します。住宅の取得費は住宅の取得価額に取得時の取得費用と、その後の改築費を加えた金額です。不動産に減価償却が適用されるのは建物部分だけであり、土地部分は減価償却できないという決まりのため、住宅の取得費を、建物と土地とに分離する必要があります。アメリカ税法上の減価償却費は「耐用年数」を27.5年で、「償却方法」を定額法で計算します。すなわち、毎年27.5分の1ずつを減価償却費として控除が認められます。計算は、建物の種類が、鉄筋、木造、新築、中古の区別なく、一様に適用されます。日本にある住宅のレント所得を、アメリカの税務申告書上報告する場合の建物部分の減価償却は、耐用年数40年、定額法で計算します。(768)

日本からの米国不動産投資

 

日本に住んでいる日本人が米国内の住宅を購入して賃貸活動している場合の課税について検討します。アメリカに住んでいた日本人が帰国後もアメリカの持ち家を処分せずに人に貸しているケース、あるいは日本からの直接投資により取得した住宅や商業不動産をレントしているケースで、アメリカの税法上の「非居住外国人」が米国不動産に直接投資する形態です。不動産を賃貸せず、バケーションや商用の折に使うだけの場合や、アメリカ留学中の子が住んでいるだけという場合は、固定資産税以外の税金が課せられることはありません。

投資家が米国の不動産を運用(賃貸)している場合、米国においても日本においても所得税上、課税対象となります。その場合、連邦所得税については、非居住者外国人に適用される源泉徴収方式またはネット・レント課税方式のうちのいずれかの方式による課税を受けます。連邦税の他に不動産が所在する州政府に対しても申告納税をする義務があります。州税では絶えずネット・レント課税方式が適用されます。(770)

不動産賃貸 (4)レンタル・ロス損益通算  

レントよりも必要経費合計額の方が多いために発生するレンタル・ロスは、賃貸活動への積極的関与の条件を満たせば、給与、利子、配当、自営業事業所得などの、他の所得との損益通算が認められます。ただし、損益通算には上限額が設けられていて、年間最高2万5000ドルまでとなっています。レンタル・ロスが2万5000ドル以上計算されても、損益通算に使えるのは2万5000ドルまでということです。超過額は翌年以降に繰り延べられます。

 

調整総所得(ほぼ、年収に相当する金額)が10万ドル以下の納税者は、2万5000ドルのレンタル・ロス全額を他の所得と損益通算できます。所得が10万ドルを超えると、損益通算できる金額は段階的に減額します。減額率は、所得増加2ドルにつき1ドル削減の割合です。調整総所得が15万ドルに達すると、レンタル・ロス損益通算額はゼロになります。すなわち、年収15万ドル超の高額所得者は、いくらレンタル・ロスがあっても、他の所得との損益通算は一切認められないことになっています。(769)

不動産賃貸(2)ネット・レント必要経費

 

レント収入から差し引いてネット・レントを計算するための必要経費とは、文字通りレント活動に必要なあらゆる経費を指します。1月1日から12月31日までの期間、またはレント収入に対応する期間に支出した金額です。代表的なものとして、固定資産税、住宅ローン支払利子、修繕費、管理費、維持費、保険料、減価償却費があります。コンドやコープの毎月の共益費コモン・チャージ、共同住宅のホームオーナー・アソシエーション・フィー、不動産管理会社のコミッション、家具の減価償却費、庭師費用もあります。また、オーナー家主がテナントのために支出した水道光熱費、電話代、除雪費用、ドアマン等へのチップ、旅費交通費なども含まれます。

 

友人や家族・親戚など家を貸して、公正な市場価格よりもはるかに低い値段でレントを受け取った場合は、必要経費として控除が認められるのはレント収入の金額までとなります。レント収入を超える経費の控除は一切認められず結局個人負担することになります。(767)

不動産賃貸

 

アパートやマンションの部屋、家屋、土地、駐車場などの不動産を所有していて、人に貸すことによって得た利益は、不動産所得として申告書上報告する義務があります。家賃収入、地代などから固定資産税、支払利子、修繕費、管理費、維持費、火災保険料、減価償却費、広告費、簿記手数料などの必要経費を差し引いて算出したネット・レント純利益が課税対象の金額となります。米国居住者は、米国国内にある住宅からの賃貸収入と同様に、米国国外にある住宅からの賃貸収入も同じ方法で不動産所得を算出し、その金額を給与、利子、配当所得などの他のすべての所得と合算した合計額を課税対象の金額とします。

不動産所得は、連邦申告書フォーム1040のスケジュールEに詳細を記入して計算します。 減価償却は、住宅の取得価格から土地該当部分を除いた建物部分のコストを把握し、耐用年数は鉄筋、木造、新築、中古の区別なく、米国国内不動産には27.5年を、米国国外不動産には40年を一様に適用して計算します。償却方法は国内、国外とも定額法です。必要経費合計額が家賃などの収入を上回り、不動産所得が赤字になった場合、給与所得や事業所得との損益通算の取り扱いが認められる場合とそうでない場合とがあります。すなわち、米国税法上、年収が10万ドル超の場合、損益通算に制限が加えられているためです。(760)

不動産賃貸ロス

レント収入よりも必要経費の方が多いために発生するレンタル・ロスは、賃貸活動への積極的関与の条件を満たせば、給与、利子、配当、自営業事業所得などの他の所得との損益通算が認められます。ただし、米国税法上、損益通算には上限額が設けられていて、年間最高2万5000ドルまでとなっています。レンタル・ロスが2万5000ドル以上計算されても、損益通算に使えるのは2万5000ドルまでということです。超過額は翌年以降に繰り延べられます。

給与、利子、配当などの合計額(調整総所得)が10万ドル以下の納税者は、2万5000ドルのレンタル・ロス全額を他の所得と損益通算することができます。調整総所得が10万ドルを超えると、損益通算できる金額は段階的に減額します。減額率は、所得増加が2ドルにつき1ドル削減という割合です。調整総所得が15万ドルに達すると、レンタル・ロスとの損益通算額はゼロになります。すなわち、年収15万ドル超の高額所得者はいくらレンタル・ロスがあっても、他の所得との損益通算は一切認められず、翌年に繰り延べされます。(744)

賃貸不動産の減価償却

減価償却とは、長期間にわたって使用する資産について、法律で定められた耐用年数(その資産が使えると思われる期間)で分割して、一年ごとに必要経費にしていく方法のことです。減価償却は時の経過あるいは使用によって価値が減少する固定資産、例えば賃貸不動産に適用されます。減価償却費は、不動産賃貸の賃貸所得を計算する際の必要経費の中でも比較的金額が高い場合が多く、税金の対象となる純利益を少なく計算するための重要な要素となります。

減価償却が適用されるのは建物部分だけであり、土地部分は減価償却できないという決まりのため、住宅の取得費を建物と土地とに分離する必要があります。まず、住宅の取得費のうち、土地該当部分を除いて建物部分のコストを把握します。住宅の取得費は、住宅の取得価格に取得時の取得費用とその後の改築費を加えた金額です。米国の減価償却は、「耐用年数」を27.5年で、「償却方法」を定額法で計算します。すなわち、毎年、27.5分の1ずつが減価償却費として控除が認められます。この計算は、鉄筋、木造、新築、中古の区別なく、一様に適用されます。外国(日本)にある住宅の賃貸所得を、米国の税務申告書上報告する場合の建物部分の減価償却は、耐用年数は40年で、償却方法は定額法で計算します。(743)

 

日本からの不動産直接投資

日本に住んでいる日本人が、米国内に所有する不動産を人に貸して賃貸収入を得ている場合の課税関係を検討します。米国に住んでいた日本人が日本に帰国後も米国の持ち家を処分せずに人に貸しているケース、または、日本からの直接投資により取得した不動産の賃貸を行っているケースで、米国の税法上の「非居住外国人」が米国不動産に直接投資する形態です。購入した不動産を賃貸せず、バケーションや商用で米国に来た折に使うだけの場合や、米国留学中の子が住んでいるだけという場合は、不動産の固定資産税を納付するだけで、その他の税金は発生しません。

投資家が米国の不動産を運用(賃貸)している場合、米国においても日本においても所得税上、課税対象となり、両方の国で確定申告をする必要があります。その場合、連邦所得税については、非居住外国人に適用される源泉徴収方式またはネット・レント課税方式のうちのいずれかの方式による課税を受けます。連邦税の他に、不動産が所在する州政府に対しても申告納付をする義務があります。州税については必ずネット・レント課税方式が適用されて課税されます。同時に、米国不動産からの賃貸所得を日本の確定申告によって申告・納税を行う義務があります。(745)

不動産賃貸

アパートやマンションの部屋、家屋、土地、駐車場などの不動産を所有していて、人に貸すことによって得た利益は、不動産所得として申告書上報告する義務があります。家賃収入、地代などから固定資産税、支払利子、修繕費、管理費、維持費、火災保険料、減価償却費、広告費、簿記手数料などの必要経費を差し引いて算出したネット・レント純利益が課税対象の金額となります。米国居住者は、米国国内にある住宅からの賃貸収入と同様に、米国国外にある住宅からの賃貸収入も同じ方法で不動産所得を算出し、その金額を給与、利子、配当所得などの他のすべての所得と合算した合計額を課税対象の金額とします。

不動産所得は、連邦申告書フォーム1040のスケジュールEに詳細を記入して計算します。 減価償却は、住宅の取得価格から土地該当部分を除いた建物部分のコストを把握し、耐用年数は鉄筋、木造、新築、中古の区別なく、米国国内不動産には27.5年を、米国国外不動産には40年を一様に適用して計算します。償却方法は国内、国外とも定額法です。必要経費合計額が家賃などの収入を上回り、不動産所得が赤字になった場合、給与所得や事業所得との損益通算の取り扱いが認められる場合とそうでない場合とがあります。すなわち、米国税法上、年収が10万ドル超の場合、損益通算に制限が加えられているためです。(742)

Copyright © 2014 Joe Oshima, CPA All Rights Reserved