日本の相続⑯   代襲相続人


本来相続人となるべき相続者(推定相続人、例えば子)が相続開始前に死亡している場合に、孫が代わりに相続することが認められます。代わりの相続を受けた者のことを代襲相続人、相続開始前に死亡している推定相続人のことを被代襲者と呼びます。代襲相続人になれるのは、被相続人の子と兄弟姉妹だけであり、直系尊属(父母、祖父母)には代襲相続は認められません。また、息子の嫁のような推定相続人の配偶者も代襲相続人になれません。

代襲相続は、相続欠格や相続排除など、推定相続人が生存している場合にも起こります。推定相続人に犯罪や非行があったため相続人としての資格が欠格・排除になった場合、子が代襲相続人として代わりに相続することが認められます。

相続人に子がなく、父母も既に死亡している場合は、兄弟(姉妹)が相続人になります。兄弟が既に死亡しているケースでは、その子であるおい(またはめい)が兄弟に代わって相続人になります。この場合、おいが「代襲相続人」であり、死亡した兄弟が「被代襲者」となります。「代襲相続人」となるべきおいも既に死亡していた場合は、再代襲は認められず、おいの子は相続人になりません。子の代襲相続人になるべき孫が死亡していた時は、ひ孫がというように再代襲が繰り返し認められますが、兄弟姉妹の代襲は、おいかめいの段階で打ち切られます。(785)

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