州をまたがる在宅勤務者(テレコミューター)の税金


従業員が会社に出勤せず、自宅にいながらにしてインターネットやスカイプで会社と連絡を取り合い、出勤従業員と同等の仕事を行う在宅勤務者のことをテレコミューターと呼びます。雇用主と従業員の双方にとって便利で重宝する勤務形態です。テレコミューターが居住する州と会社の所在州が同じである場合は、給与の源泉と州所得税の課税が同一州で行われるため税金の問題は生じません。州が異なる場合、法人税と個人所得税の問題が生じます。テレコミューターの他州における物理的存在は、会社が事業遂行のための拠点を他州内に有していることとなり、州法人税の申告・納税の問題が発生します。

州を越えるテレコミューターの動機が、会社の必要性からではなく本人の便宜のためである場合は、NY、NJ、ペンシルバニア、デラウエア、ネブラスカの各州の規定(2015年現在)の適用により、個人所得税の課税の問題が発生します。例えば、NYにある会社のために在宅勤務を行ったマサチューセッツ州居住者は、本人がNYの会社に毎日出勤して役務の提供を行って給与を得たことと同等と見なされます。すなわち、本人の便宜によるテレコミューターは、会社の所在州であるNY州の個人所得税の申告・納税を必要とします。マサチューセッツ州税上、他州税額控除の仕組みによって二重課税の回避が達成されます。在宅勤務の動機が会社側の便宜による場合は、NY州税の対象とはならず、役務の提供地であるマサチューセッツ州だけでの課税となります。(348)

 

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