米国籍の代襲相続人による相続 U.S. Citizen Substitute Inheritance


<米国籍の代襲相続人による相続 U.S. Citizen Substitute Inheritance>

▽代襲相続人 日本で祖父が遺言を残さずに亡くなり、遺した財産は日本にある不動産と銀行預金、そして米国にある銀行預金です。祖母(配偶者)は10年前に、一人娘である母は5年前に、それぞれ死亡しました。遺族は米国籍の母の子(孫)と日本在住の大叔父(祖父の弟)の二人の血族生存者だけです。相続人となる筈であった祖父の唯一の子(母)が相続開始以前に死亡したため、孫に相続権が移ります。この場合の孫を「代襲相続人」、子を「被代襲者」といいます。代襲相続人は、本来相続人となるべきであった人の身代わり相続人ですから、孫は子と同じ第一順位の血族相続人とみなされます。第一順位の代襲相続人である孫がいるときは、第二順位の直系尊属と第三順位の兄弟姉妹は相続人になることができません。従って、大叔父に相続権はなく、米国籍の孫一人だけが法定相続人となり、祖父の遺産のすべてを相続します。

▽日本の相続税 相続人が米国籍であっても、日本の相続税は日本国内財産および国外(米国内)財産のすべての財産が課税対象となります。課税財産が基礎控除額である3600万円を超過した場合に、相続税(10%~55%までの累進税率)の申告と納税を必要とします。

▽米国の遺産税 連邦遺産税は、亡くなった祖父の税法上の身分が非居住外国人であるため、特定の米国内財産があるときだけ課税され、米国内財産がなければ課税は一切発生しません。非居住外国人名義の銀行預金は、税法定義上、国外財産として扱われ、課税対象にはならないことになっています。海外での相続に関する、IRSに対する報告書フォーム3520の提出を必要とします。(262)

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