自宅内事務所の控除


自宅の一部を仕事に使っている場合、自宅内事務所の費用について所得からの控除が認められます。自営業者は、事業所得算出上の必要経費として、また、給与所得者は、勤務活動上の必要経費としての取扱いです。自宅内事務所の経費として、固定資産税や住宅ローン支払利子、水道光熱費、火災保険料、修繕費、減価償却費、維持管理費、賃借料(貸家住まいの場合)などが含まれます。経費合計額を、自宅内事務所の面積が自宅総面積(台所、洗面所、押入れ等を除く)に占める割合で按分配賦した金額が控除額です。

自宅内事務所の経費は、フォーム8829にその詳細を記入して申告します。控除が認められるための条件として、①占有的・恒常的使用、および、②雇用主の便宜があります(IRC(内国歳入法)第280A条)。「占有的使用」とは、住居の一定空間を事業用に占有使用していることを言います。事業用と個人生活用に併用している場合は、占有使用ではないため否認されます。「恒常的使用」とは、住居の一定空間を事業用に常時使用していることを言います。偶発的・臨時的な使用だけの場合は、恒常的使用ではないため否認されます。「雇用主の便宜」とは、従業員の場合にのみ適用となり、自営業には適用されない条件です。自宅使用が雇用主の便宜上役立つため、雇用主の要請に基づいて自宅を仕事に使用する場合に控除が認められます。単に自宅使用が勤務遂行上便利で役立つという理由だけでは、「雇用主の便宜」が欠けているため
控除は認められません。(625)

 

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