個人納税者番号(ITIN)


米国の社会保障制度の整理番号であるソーシャルセキュリティー・ナンバー(SS番号)は、納税者番号としても使われていて、納税管理上、その機能を十分に発揮しています。SS番号は、米国市民、グリーンカード保持者、および、就労ビザを所有する外国人だけが取得することができます。SS番号の取得が認められない外国人は、SS番号のかわりにIRS(内国歳入超)が発行する個人納税者番号(ITIN)を取得する必要があります。労働許可のない帯同家族の配偶者控除や扶養控除を申告する場合や、日本在住の日本人が米国への直接投資による賃貸所得を確定申告する場合などに、必ずITINを取得しなければなりません。ところが9.11事件以降、安全保障上の懸念から、ITINを発行する際の審査が一段と厳しくなり、ITINの取得に困難を伴うようになりました。

ITINを取得するための書類は以下の3種類です。①申請書フォームW-7、②パスポートが日本政府によって交付された真正書類であることを証する外務省、日本大使館あるいは領事館が発行した証明書、③確定申告書(フォーム1040、1040NRなど)。申請書類の提出先は特定のIRSセンターです。税金上の要件が整えば、移民法上の身分に関係なく、合法ビザがなくてもITINを取得できます。申請後約6週間でITINが発行され、確定申告書が受理されます。翌年以降、確定申告書にそのITINを記載して提出します。(547)

 

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