満期保険金と保険年金の課税


 

米国滞在中に米国の貯蓄型の生命保険と個人保険年金に加入して保険料を支払っていた日本人が、日本帰国後もそれらの保険に加入し続け、満期を迎えました。満期保険金と保険年金の日米での税金上の取り扱いについて検討します。

 

米国の保険会社から生命保険の満期保険金や中途解約金を非居住外国人(日本の居住者)へ支払う場合、30%の源泉徴収税(所得税)の対象となります。保険会社は源泉徴収税をIRS(内国歳入庁)へ納付し、差額の70%分を日本の受取人へ送金します。米国で差し引かれた源泉徴収税は、日本の所得税の計算上、外国税額控除が認められます。生命保険会社の保険年金は、終身または特定期間にわたって定期的に所定の金額が支払われる給付のことを指します。保険年金は、日米租税条約第17条の居住地国課税の原則に基づき、支払地である米国では非課税、居住地国である日本で課税対象となります。

 

日本では、満期保険金や中途解約金は、所得税または贈与税の対象となります。保険料の負担者と保険金の受取人が同一の場合、保険金は一時所得として所得税・住民税が課税され、確定申告を必要とします。受取額から払い込んできた保険料を差し引き、更に50万円を差し引いた残りの金額の1/2が課税対象額です。負担者と受取人が異なる場合は、所得税ではなく贈与税が課せられます。受け取った保険金から基礎控除の110万円を差し引いた金額に適用税率を掛け合わせて贈与税を算出します。保険年金は、雑所得として所得税と住民税の対象となります。(722)

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