学生Fビザと税金

 

Fビザ保持者は、認可を受けた大学、大学院、短大、語学学校などでフルタイムの学生として在学すること、すなわち、1学期に12単位以上の科目を取ることが求められます。Fビザは、所得税法上の居住者・非居住者の判定基準である「実質的滞在条件」からの除外個人とされていて、入国から5年間は各年度の米国滞在日数が183日を超えても非居住外国人として扱われます。OPT(卒業後の実務研修)の期間も非居住外国人扱いとなります。5年経過後は原則、「実質的滞在条件」が適用されて居住外国人あるいは非居住外国人と判定されます。Fビザ留学生は、「実質的滞在条件」からの除外個人である旨を身分情報申告書フォーム8843に記入して、毎年IRSに提出する義務があります。Fビザ留学生が受け取る教育または生計維持のための日本の親・会社・政府からの仕送り・手当・給付・交付金等のすべての送金は、米国では非課税です(日米租税条約第19条)。

キャンパス内就労許可や実務研修許可をを受けたFビザ保持者は、週20時間(休暇中は40時間)まで、合法的就労ができます。雇用主から支払われる給与は、連邦・州の所得税の対象となります。非居住外国人用の個人所得税申告書フォーム1040NRで所得税を計算し、源泉徴収票フォームW-2を添付提出して、税金の清算をします。Fビザに支払われる給与は、社会保障税(ソーシャルセキュリティー税とメディケア税)が免除されます。ただし、免税となるのは、Fビザ保持者の専攻分野と仕事の内容に原則つながりがある場合に限ります。免税であるにもかかわらず間違って源泉徴収された社会保障税は、通常雇用主を通じて還付されます。(727)

国際機関Gビザと税金

Gビザは、国際機関の代表者、職員、使用人、それらの家族に発給されるビザです。国際機関とは、構成員を国家として常設の事務局を有する実態がある組織、および、条約によって常設されている組織のことをいいます。代表例は次の通りです。国際連合UN、国際通貨基金IMF、世界保健機関WHO、国連児童基金UNICEF、国連教育科学文化機関UNESCO、経済協力開発機構OECD、世界貿易機関WTO。

Gビザ保持者は、税法上の居住者・非居住者を決定する「実質的滞在条件」の日数計算上、除外される個人と規定されているため、たとえ何年間米国国内に住んでいても、滞在日数が無視されてたえず非居住外国人となります。国際機関から受け取る給与や手当ては、米国の所得税が一切課せられることがなく、申告する義務もありません。Gビザ保持者が取得する職務以外の収入、例えば本人または家族による米国源泉のアルバイト収入や、個人的な投資所得などについては、通常の非居住外国人のための税法規定が適用となり課税されます。役務の提供による給与所得や事業所得は、米国内の商活動と実質的に関連のある所得として、通常の所得税(2019年現在15~37%の7 段階の累進税率)の対象となります。そして、フォーム1040NRによる確定申告と納税を必要とします。銀行預金利子は

非課税であり、配当は日米租税条約第10条の適用により10%の源泉徴収税の対象となります。社会保障税(ソーシャルセキュリティー税とメディケア税)は非課税です。連邦税の申告を必要とする場合、州居住者としての所得税の申告も必要です。(728)

学生Fビザと税金

 

Fビザ保持者は、認可を受けた大学、大学院、短大、語学学校などでフルタイムの学生として在学すること、すなわち、1学期に12単位以上の科目を取ることが求められます。Fビザは、所得税法上の居住者・非居住者の判定基準である「実質的滞在条件」からの除外個人とされていて、入国から5年間は各年度の米国滞在日数が183日を超えても非居住外国人として扱われます。OPT(卒業後の実務研修)の期間も非居住外国人扱いとなります。5年経過後は原則、「実質的滞在条件」が適用されて居住外国人あるいは非居住外国人と判定されます。Fビザ留学生は、「実質的滞在条件」からの除外個人である旨を身分情報申告書フォーム8843に記入して、毎年IRSに提出する義務があります。Fビザ留学生が受け取る教育または生計維持のための日本の親・会社・政府からの仕送り・手当・給付・交付金等のすべての送金は、米国では非課税です(日米租税条約第19条)。

キャンパス内就労許可や実務研修許可をを受けたFビザ保持者は、週20時間(休暇中は40時間)まで、合法的就労ができます。雇用主から支払われる給与は、連邦・州の所得税の対象となります。非居住外国人用の個人所得税申告書フォーム1040NRで所得税を計算し、源泉徴収票フォームW-2を添付提出して、税金の清算をします。Fビザに支払われる給与は、社会保障税(ソーシャルセキュリティー税とメディケア税)が免除されます。ただし、免税となるのは、Fビザ保持者の専攻分野と仕事の内容に原則つながりがある場合に限ります。免税であるにもかかわらず間違って源泉徴収された社会保障税は、通常雇用主を通じて還付されます。(727)

管理職・投資家Eビザと税金

 

Eビザは、米国と通商条約を締結している国の国民に発給される就労ビザです。管理職または特殊技能職を対象とするE-1ビザと、投資家を対象とするE-2ビザがあります。E-1ビザを申請する企業は、日本の親会社が50%以上の持ち株比率の現地法人子会社でなければなりません。E-2ビザを申請する企業は、親会社となるべき日本の会社を必ずしも必要とせず、業種にもよりますが現地雇用の促進を優先する、日本人投資家による多額投資の持ち株比率50%以上の米国法人でなければなりません。株や不動産等の多額投資だけで、現地雇用を創設しない場合は、ビザ申請は認可されません。ビザの有効期限は基本的には5年間ですが、米国法人が存続する限り無期限にビザの延長が可能です。Eビザは、永住権の優先就業者とみなされ、永住権への切り替えが比較的簡単です。Eビザ保持者の配偶者には、就労許可がおります。配偶者の就労先に制限はなく、どこの会社でも働くことも認められます。

Eビザ保持者は、「実質的滞在条件」 と呼ばれる183日を基準とした滞在日数よりも長いか短いかによって居住外国人あるいは非居住外国人になります。米国への赴任年度と米国からの離任年度には、滞在日数が少ないため非居住外国人になる場合がある以外、居住外国人とされて米国市民同様、全世界所得を申告して納税する義務があります。社会保障税(ソーシャルセキュリティー税とメディケア税)に関しては、日本からの滞在年数が5年未満の場合、日米社会保障協定に基づいて日本の社会保障税に継続加入することにより、米国の社会保障税が免除されます。Eビザ保持者は、連邦贈与税および遺産税法上は、Domicileが米国にないため絶えず非居住外国人となります。(726)

短期滞在Bビザと税金

 

短期滞在のBビザには、短期観光を目的とするB-1ビザと、短期商用を目的とするB-2ビザがあります。Bビザは、特別医療による治療、裁判での証言、音楽・スポーツイベントのアマチュア参加、専門的な学会や会議、セミナー、コンベンション講演者、講師、出席者、工場視察、研究調査、現地法人設立準備のための派遣など、明確な目的の訪問で他のビザ・カテゴリーに該当しないあらゆる種類の滞在のために利用できます。日本人はビザウェーバー・プロゴラムによるビザなし入国が可能なため、Bビザには馴染みがないと言えます。一回の入国による滞在期間は、入国審査官の裁量によって異なりますが、B-1(短期観光)は必要期間であり、B-2(短期商用)は最高6カ月間です。必要に応じて申請による最長6カ月の滞在期間の延長が可能です。学生ビザや就業ビザなど、米国滞在中の他のビザへの変更が可能です。

Bビザ保持者は、米国国内で就業すること、何らかの報酬を受領することが許されず、ソーシャル・セキュリティー番号の取得もできません。Bビザ保持者は、「実質的滞在条件」が適用されて183日を基準とした年間滞在日数の長短で、居住者・非居住者の別が決まります。滞在日数が183日未満で非居住外国人となった場合、課税対象となる米国源泉所得がないため申告書の提出の必要はありません。滞在日数が183日を超えて居住外国人となった場合、フォーム1040に居住者期間の全世界所得を報告して居住者用申告書を提出する義務があります。移民法上米国での報酬の受領が禁止されていて、税法上報告する米国源泉所得がないため、日本の所得だけを報告して外国税額控除を適用して税金計算をします。(725)

 

外交・公用のためのAビザと税金

Aビザは、大使、公使、領事、政府高官、外交官、外国政府職員とその家族に発行されるビザです。外国人は通常、年内の米国滞在日数が183日を越えると、実質滞在条件の適用により「居住外国人」と判定されます。Aビザ保持者は「実質滞在条件」の日数計算上、除外される個人と規定されているため、たとえ何年間米国国内に住んでいても、滞在日数が無視されて非居住外国人として扱われます。Aビザ保持者が本国政府のために活動し、本国や在外公館から支払われる給与や報酬、手当ては非課税扱いであり、米国の所得税が一切課せられることなく、申告する義務もありません。

政府の職務以外の所得、例えば本人や配偶者による外部アルバイト収入や個人的投資所得については、通常の非居住外国人のための税法規定の適用により課税されます。外部アルバイト収入は、連邦所得税(10%~37%)の7段階の累進税率)の対象となり、フォーム1040NRによる確定申告納・納税を必要とします。

アルバイトの形態が雇用主・従業員の関係である場合は、通常、給与から所得税のほかに社会保障税(7.65%)が源泉徴収されますが、Aビザ保持者はこの税金の対象外です。また、主従関係ではなく独立の立場での請負である場合は、通常、社会保障税(15.3%)の納税を必要としますが、Aビザ保持者はこれを支払う必要がありません。(724)

ビザと税金

 

米国の所得税法上、外国人 (日本人) は居住者あるいは非居住者に区分されます。どちらに該当するかによって、課税対象となる所得の範囲が異なり、認められる控除の種類や適用される税率に違いがあります。使用する用紙も、居住外国人はフォーム1040、非居住外国人は1040NRという具合に異なります。このため外国人の米国における所得税を検討するにあたって、本人が居住外国人か非居住外国人かを判定することが最も重要なポイントであり、出発点となります。判定は、ビザの種類によって、あるいは、米国税法の「実質的滞在条件」や日米租税条約の規定に基づいて下されます。注意すべきことは、所得税法上の居住者・非居住者の定義は、遺産税・贈与税にはそのまま適用されないということです。’Domicile’(定住地)と呼ばれる所得税とは全く異なる概念が用いられて、遺産税・贈与税法上の居住者・非居住者が決定されます。

 

ビザの種類で非居住者となるのが、A (外交官)、G(国際機関)、F (学生)、J (国際交流)、M (専門学校生)、Q (交流訪問) の各ビザ保持者です。米国内での滞在日数に関係なく非居住外国人になります。永住権 (グリーンカード) 保持者は、たとえ国外に住んでいたとしても必ず居住者になります。上記以外のE(投資家)、H(就労)、I(報道)、L(駐在員)、O(卓越能力者)、P(運動芸術)各ビザ保持者は、実際に米国に滞在した日数によって居住者・非居住者が決まります。簡単にいえば、「実質的滞在条件」と呼ばれる183日を基準とした滞在日数よりも長いか短いかで居住者または非居住者となります。(723)

 

OPT実務研修生の税金

 

A(外交)、G〈国際機関〉F(学生)、J(交流訪問者)、M(専門学校学生)、Q(交換訪問者)の各ビザ保持者は、アメリカ滞在日数が183日を超えても居住者としてではなく、通常、非居住者として扱われます。Aビザ (外交) の場合は年数に制限なく、どんなに長い間アメリカに滞在していてもたえず非居住者となります。Fビザ、Jビザ、Mビザ、Qビザで学生としてアメリカに滞在する場合は、入国から5年間については非居住者として扱われ、5年経過後には「実質的滞在条件」が適用されて、非居住者あるいは居住者となります。またJビザ、Qビザによる教授または研究者は、入国から2年間について非居住者として扱われ、それ以降は「実質的滞在条件」が適用されて、非居住者あるいは居住者となります。

Jビザ、Fビザ、Qビザの保持者は、実務研修目的で報酬を受け取ることがあります。例えば、学生がOPT(就学後実務研修生)として米国の雇用主のもとで従業員として働く場合です。その場合でも、非居住者の身分に変わりません。非居住者である間に受け取る給与は連邦、州、市の所得税の課税対象となりますが、社会保障税 (Social Security Tax および Medicare Tax) については免除されることになっています。(699)

「日米租税条約」による免税所得と州税

米国の所得税は連邦政府に加えて、州政府や一部の市政府や郡政府によっても課せられます。連邦税と同一の税制が州税や市税にも適用されるかというと、必ずしもそうではありません。例えば、居住者・非居住者の州税上の定義は、連邦税のそれとは異なります。日米租税条約の取り扱いも、連邦税と州税とでは大きく異なります。そのため、連邦税は税金が免除されるのに、州の所得税は支払いが生じる場合があります。

F、J、M、Qビザで大学に通う米国滞在者は、条約第19条の適用により教育または生計維持のために日本から受け取る給付や仕送りについて、米国での課税が免除されます。事業修習生は、ビザの種類に関係なく入国後1年以内に受け取る日本からの給付や報酬について、米国では免税となります(条約第19条)。教授や研究者は、教育機関における教育または研究のために受け取る報酬について、米国内での支払いも含めて米国入国から2年間、課税免除となります(条約第20条)。免税のため税金の支払いがない場合でも、免税の法的根拠と金額を開示する申告書の提出を必要とします。

租税条約の規定によって免税となるのは、原則として連邦税に限ります。日米租税条約は、アメリカ合衆国(連邦政府)と日本国との間で締結された国家間の取り決めであり、免税は州法には及ばず州税が課されることがあります。(689)

ビザと税金

米国の所得税法上、外国人 (日本人) は居住者あるいは非居住者に区分されます。どちらに該当するかによって、課税対象となる所得の範囲が異なり、認められる控除の種類や適用される税率に違いがあります。使用する用紙も、居住外国人はフォーム1040、非居住外国人は1040NRと異なります。このため外国人の米国における所得税を検討するにあたって、本人が居住外国人か非居住外国人かを判定することが最も重要なポイントであり、出発点となります。判定は、ビザの種類によって、あるいは、米国税法の「実質的滞在条件」や日米租税条約の規定に基づいて下されます。注意すべきことは、所得税法上の居住者・非居住者の定義は、遺産税・贈与税にはそのまま使用されないということです。’Domicile’(定住地)と呼ばれる所得税とは全く異なる概念が適用されて、遺産税・贈与税法上の居住者・非居住者が決定されます。

ビザの種類で非居住者となるのが、A (外交官)、G(国際機関)、F (学生)、J (交流訪問者)、M (専門学校学生)、Q (交換訪問者) の各ビザ保持者です。米国内での滞在日数に関係なく非居住外国人になります。永住権 (グリーンカード) は、たとえ国外に住んでいたとしても必ず居住者になります。上記以外のビザ保持者、B(商用・観光)、E(重役・投資家)、H(一時就労者)、I(報道)、K(婚約者)、L(派遣管理職)、O(特殊技能者)、P(芸能人・スポーツ選手)は、実際に米国に滞在した日数によって居住者・非居住者が決まります。簡単にいえば、「実質的滞在条件」と呼ばれる183日を基準とした滞在日数よりも長いか短いかで居住者または非居住者となります。(672)

 

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